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若狭への旅2~陰陽師の里「名田庄」を訪ねる

2019.08.30
その他
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若狭の旅2日目。福井県おおい町。

この旅の一番の目的地「名田庄」へと行きました。

名田庄は陰陽師の里。

安倍氏の流れを汲む土御門家(つちみかど…天皇から賜った姓)が、政治的な難を逃れる為、15世紀応仁の乱の戦乱を逃れ一時的に120年程、この里で暮らしていたとの事です。

その土御門家が祀っていた加茂神社。

賀茂神社(加茂)は至るところにありますが、平安時代に陰陽道を確立したのは賀茂忠行と保憲父子。世にも名高い安倍晴明は、その弟子でした。全国の賀茂神社の総本山は、奈良・葛城地方(御所市)にある高鴨神社です。

岩や手すりに、蛙が何匹も。そして消火器の上には、カブトムシが・・

緑が濃くて、緑の在り方が、私の好きな明日香村の聖なる山と似ていました。

古代のまま、というのでしょうか。

それ以上に、神社の境内は、緑と生き物が共存している様に感じられました。

お参りしていた時、やってきた言葉

「すべての中に、神はいる」

そう。

それはいつも私が感じてきた事。

それを「神」というのかはわからないけど

「アミニズム」をいつも追い求めてしまう。

ただ「古代」というだけでなく

そこに息づく精神

宿る意識、というのかな。。

古代の人や、陰陽道に携わった人達が大切にしてきた

自然の中に神を見出し、敬った精神

ここには、それが満ちていました。

この後、暦会館へ行って、土御門家や暦についての資料を閲覧したり、ビデオを観たりしました。

グレゴリオ暦が導入される前、つまり江戸時代までは旧暦が使われていましたが、旧暦は太陰太陽暦とも呼ばれ、月の満ち欠けだけでなく四季など自然のサイクルに沿っているものだったのですね。だから、田んぼに苗を植えるのに適した時期や日にち、稲刈りに適した日は勿論、牛や歌の爪を切るのに適した日、年末の大掃除に適した日、何かを始めるのに適した日などありますし、二十四節氣や七十二候は、季節の移り変わりを自然で表しています。

自然に即した季節の巡りのさらに上、というか外側から見ると、地球という星が太陽の周りを公転しています。暦は太陽や月、惑星、星座の巡りからの視点も盛り込まれている事を考えると、宇宙や自然の壮大なスケールの中で生かされている。そして、私達人間は、つい100年ほど前までは、その自然サイクルにそった暦を見て生活していた訳です。

それがグレゴリオ暦に変わって、自然のサイクルに沿ったものでは無くなった。

その結果、人々は、自然から離れて行った。そりゃあ色々狂って来る訳です。身体も不調になってくるし、心もおかしくなっていく。便利ばかり追求して、本当の豊かさを忘れる。自然のサイクル・リズムに沿っていないから、自然から大きく離れていく。それだけの事。

暦は、私達は自然の一部として生きていく指針を示してくれたものだったのですね。陰陽道は、中国から伝わって来たものだけど、この暦などは日本の自然サイクルにそって作られている。だから日本にしかない叡智。

中国からといっても、そもそも陰陽道は、北極星や北斗七星を敬う妙見信仰からの流れ。そう思うとやはり星や自然から得た叡智なのですけどね。

私達は今のカレンダーに沿って生活していますが、自然に沿った本来の自分で生きたい時、旧暦は意識すべきものなのだろうなと感じ入りました。

長くなりましたが、まだ続きがあります。

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